第34回 日本二分脊椎研究会

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泌尿器(CIC・機能評価法)
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清潔間欠自己導尿を必要とする子どもが安心して保育所で過ごせるように~保育所に巡回する看護師へのCIC指導と相談窓口としての役割を通して~
千葉県こども病院 4階東病棟
作田香織

 平成28年4月障害者差別解消法が制定された。それに伴い、清潔間欠導尿(以下CIC)を必要としながら保育所に通所する子どもと家族への支援として、千葉市では看護師の資格を持った所長を配置するとともに、千葉市職員の看護師が巡回して、家族に代わってCICを施行することとなった。そのためA病院の皮膚・排泄ケア認定看護師にCIC指導の要望があり、A病院の皮膚・排泄ケア外来に、子どもとその家族、保育所所長、千葉市職員の看護師に来院していただき、CIC指導を行った。その取り組みの結果、家族より、「安心してお願いできている。とても助かっている」と話されている。また、今回の指導をきっかけに、子どもを預かる保育所の相談窓口となり対応している。保育所側は「不安なので、相談できる窓口があるのは安心」と話されている。
 今回は、千葉市が子育て支援の一環として取り組まれたことで実現できた。しかし、その他の地域では、保育所においてCICを行う場合には、家族が保育所に出向いてCICを行っているケースが多い。そのため、保護者は社会参加や就労ができず、就労できても十分に働けず経済的に負担を強いられている。このような取り組みが全国に広がり子どもと家族の生活の質が向上するためには、受け入れる施設側も安心して対応できるような相談窓口が必要であること、CICを安心してできるよう勉強会の企画、学会や研究会で今回の取り組みを伝えていく必要があると考えた。