第34回 日本二分脊椎研究会

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看護・心理・性
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二分脊椎男性のセクシュアリティに関する研究2 - 二分脊椎男性の親がもつ子どもの性に関する気がかり -
茨城県立医療大学 保健医療学部看護学科1)、帝京平成大学 ヒューマンケア学部看護学科2)、(前)茨城県立医療大学保健医療学部 看護学科3)、(前)摂南大学 看護学部4)、岐阜大学医学部 看護学科5)
笠井久美1)、道木恭子2)、小野敏子3)、野田洋子4)、足立久子5)

 本報告は、二分脊椎男性の家族がもつ子どもの性に関するニーズや経験の把握を目的とした調査の一部であり、子どもの性に関する気がかりや知りたいことに焦点を当てた。
 平成27年8~12月に二分脊椎男性の家族500名に子どもに関する無記名自記式質問紙調査を実施した。調査項目は思春期の体と心の変化、性に関する経験、性に関する気がかりなどであった。分析は記述統計を用いた。
有効回答76(15.2%)、母親72名(94.7%)、父親4名(5.3%)が回答した。子どもは10~30代、開放性脊髄髄膜瘤53名(69.7%)、閉鎖性脊髄髄膜瘤4名(5.3%)、脊髄脂肪腫12名(15.8%)などであった。
 子どもの性に関する将来の気がかりがある55名(72.4%)、ない20名(26.3%)、無回答1名(1.3%)であり、内容は結婚22名(42.3%)、子どもがもてるか15名(28.8%)、恋愛14名(27.0%)などであった。子どもの性について知りたいことや教えてほしいことがある23名(30.3%)、ない42名(55.3%)、無回答11名(14.5%)であり、内容は性機能12名(52.2%)が最多であった。結婚・子どもをもつことは自立につながる、性については子どもが考える、子ども自身の身辺自立や社会・経済的自立が先立つという意見もあった。今後、子どもの性に関する親の思いやニーズに沿った支援の検討が必要である。