第34回 日本二分脊椎研究会

第34回 日本二分脊椎研究会 第34回 日本二分脊椎研究会 S6 第34回 日本二分脊椎研究会 第34回 日本二分脊椎研究会
看護・心理・性
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茨城県立こども病院二分脊椎外来の現状と課題~外来開設からの第二報~
茨城県立こども病院 看護局1)、同小児外科2)、同小児脳神経外科3)
菊池麻衣子1)、東間未来2)、矢内俊裕2)、稲垣隆介3)

【はじめに】当院では、2016年より二分脊椎外来が開設され、現在24名の患者が当院二分脊椎外来に通院している。内訳は、乳幼児期9名、学童期7名、青年期6名、成人期2名である。今回、病院受診を中断し病識が乏しいまま成長した思春期患者と関わる経験を得た。患者自身が身体状況を理解する時期が遅いという状況は、あらたな症状への戸惑いの原因となるばかりでなく、あらたな健康問題の予防行動を妨げると言われている。医療的ケアの必要性を理解し、実施していくまでに葛藤を抱えながら受容と拒否を繰り返す患者への看護を後方視的に振り返り、本症の患者に対する更なる支援について課題を明らかにする。
【結果】本章の症状の現れ方や程度は個々によって様々であり、また理解力もそれぞれ異なる。ライフステージに着目して長期的な生活上の見通しをもたせることが、子どもの健康維持・増進、生活の満足度の向上に大切と考えられた。発達段階を踏まえて、個々に合った説明方法や時期をチーム内で共有し、きめ細やかで積極的な関わりを提供していくことも必要と思われた。
【まとめ】長期的に継続した関わりを通して、身体的・心理的に健やかに成長発達できるよう支援するために、家族・子どもに対する具体的な教育プログラムを作成していくことが今後の課題である。また、家族同士、子ども同士が悩みを話し合え、情報を共有できるような患者会をさらに発展し支援していきたい。