第34回 日本二分脊椎研究会

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整形外科(変形の評価)
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二分脊椎の内反足変形に対するPonseti法に準じた初期治療の成績とTalo-foot angleによる重症度の評価について
心身障害児総合医療療育センター 整形外科
田中弘志、伊藤順一、小崎慶介

二分脊椎の内反足変形22例(男児11例、女児11例)、30足に対しPonseti法に準ずる初期治療を行った。治療開始年齢は平均2歳8ヵ月(0歳3ヵ月~5歳11ヵ月)、経過観察期間は平均2年11ヵ月(3ヵ月~5年11ヵ月)だった。Sharrard分類はⅠ群6例、Ⅱ群1例。Ⅲ群6例、Ⅳ群9例だった。脊髄髄膜瘤17例、脊髄脂肪腫5例だった。足部X線正面像の距骨の長軸をTalar axis 、距骨骨頭~第2中足骨頭に引いた線をFoot axisとし、それらのなす角をTalo-Foot angle と定義して外転矯正位でギプス治療前とギプス治療後で評価を行った。25足(83%)で足底接地が得られ、5足(17%)では足底接地が得られなかった。ギプス治療前の外転矯正位でのTalo-Foot angleは足底接地が得られた25足では平均+5度(-15度~+15度)だったことに対し、足底接地が得られなかった5足では平均-37.6度(-30~-55度)と明らかに低値を示し有意差があった。ギプス治療前の外転矯正位でのTalo-Foot angleは後足部の拘縮の程度をよく表していると考える。二分脊椎の内反足ではギプス治療前の後足部の拘縮が強い例(Talo-Foot angle -30度以下)ではギプス治療による足底接地が得られる可能性は低いと考える。治療前の外転位でのTalo-Foot angleはギプス治療の適応の判断に有用だった。