S1 胃瘻

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13C–acetate呼気ガス分析を用いた噴門形成術・胃瘻造設を施行された重症心身障害者の術前後の胃排出能の検討
久留米大学 小児外科
小松崎尚子、石井信二、深堀 優、中原啓智、東館成希、升井大介、吉田 索、橋詰直樹、七種伸行、浅桐公男、八木 実

<はじめに>13C–acetate呼気ガス分析を行い重症心身障害者の腹腔鏡下噴門形成術時の胃瘻造設術が胃排出能に及ぼす影響について検討した。
<対象> 腹腔鏡下噴門形成術と胃瘻造設術を施行した5例、胃瘻造設術のみの3例の重症心身障害者の計8例。
<方法> 手術前後の胃排出能を13C–acetate呼気ガス分析を用いて計測した。Tlag(分)、T1/2(分)、GECの術前後の変化を①全例、②腹腔鏡下噴門形成術+胃瘻造設例、③胃瘻造設のみにおいて比較した。
<結果とまとめ> ①は術前の胃排出能は遅延、術前後でTlag: 93.02→53.2と有意な術後の胃排出能の改善を認め(p < 0.05)、T1/2も改善傾向を認めた。②は胃排出能に有意差を認めないが改善傾向であった。③は術前後で胃排出能に有意差を認めなかった。症例数は限られていたが腹腔鏡下噴門形成術時の胃瘻造設術後においても胃排出能が改善する傾向がみられた。