S1 胃瘻

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重症心身障害児者における胃瘻の管理
長野県立こども病院 外科
高見澤 滋、畑田智子、服部健吾、岩出珠幾、好沢 克

小児で使用されることが多いバルーン型胃瘻ボタン(以下ボタン)は、1週間に1回、バルーンの固定水を確認することが推奨されている。今回、在宅で胃瘻栄養を行っている患者のバルーン内の固定水(5ml)の減少量を計測した。
40例の交換間隔、固定水の減少量の中央値はそれぞれ28日、0.4mlであった。各患者において、固定水の減少量の3回の平均値と以下の各因子との関係は①造設部位:胃体部(n = 23)/胃体下部(n = 17)= 0.45/0.45ml、②ボタンを触る(n = 12)/触らない(n = 28) = 0.48/0.44ml、③1日の胃瘻栄養回数:3回(n = 18)/4回以上(n = 22)= 0.40/0.49ml(p = 0.02)、
④半固形状流動食のみ(n = 19)/液体栄養剤と半固形状流動食併用(n = 21) = 0.41/0.49ml(p = 0.04)であった。胃瘻栄養の回数、注入内容により固定水の減少量に有意差を認めたが、30日間で約0.4ml減少したのみであったため、患者家族による定期的なバルーン固定水の確認は不要であると思われた。