S3 ストーマ脱出・肛門側注入

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22週4日で出生し日齢9に消化管穿孔にて回腸瘻を造設した患児のストーマ管理の経験
神戸大学医学部附属病院 小児外科
尾藤祐子、會田洋輔、中井優美子、橘木由美子、河原仁守
急性期の皮膚ケアと、その後のストーマ腸管脱出に対する治療方針とケアの工夫について

症例は22週4日、444gで出生した双胎第2子女児。日齢9に腹部膨満とレントゲン上free airを認め緊急開腹術施行。臍上縁の横切開で開腹、回腸穿孔を認め、穿孔部を腸瘻として開腹創の右端から腹壁外に出し腸瘻を造設した。術後2日目から腸瘻から排便あり、皮膚の未熟性を考慮しパウチ管理は行わず、ガーゼを腸瘻に乗せ便汁を吸収させ腸瘻周囲にワセリン使用し腸瘻管理を行った。ミルクは術後3日から開始し、便汁の増加への対応と日齢を考慮の上術後12日目(日齢21)から未熟児用パウチを貼付開始した。日齢40から腸瘻の腸管脱出を認め徐々に増大、最終的に脱出腸管が15cmとなったが、物理的刺激による出血のないよう留意してパウチ管理を継続、日齢204(修正2か月)に体重3.4kgで回腸瘻閉鎖術を施行。日齢229に合併症なく退院となった。本症例の急性期の未熟性の強い皮膚に対するケアと腸管脱出期の治療方針およびパウチ管理の経験に考察を加え報告する。