S3 ストーマ脱出・肛門側注入

12
低出生体重に造設したSutureless Stomaに対するケア13事例の振り返りを通して
都立小児総合医療センター 看護部1)、外科2)
阿部雪子1)、末吉康子1)、廣部誠一2)

【はじめに】 当院において低出生体重児に対しSutureless Stomaを造設した事例は13件あり、ケアに関わる機会を得ることができた。ケアの視点から振り返りを行ったので報告する。
【対象・方法】 Sutureless Stomaを造設し同意の取れた事例について、ケアの振り返りを行う。
【結果】 13例のうち、早期合併症の発生は0件、晩期合併症は8件であり、いずれも脱出であった。脱出後は啼泣によりストーマサイズが変化し、面板のホールカット部にストーマが接触して潰瘍を生じる事がある。そのため、ホールカットの大きさの調整や、脱出したストーマを袋に収めることが難しく、面板貼付時に啼泣させない工夫等が必要であった。
【考察】 Stoma造設後、早期合併症の発生はなく、通常のストーマケアと変わりなく対応可能と考える。しかし、体重増加や啼泣等、腹圧がかかる機会が増えると脱出が生じ、ストーマケアは管理困難となることが示唆された。