第34回 日本二分脊椎研究会

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整形外科(足関節・難治性褥瘡)
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右足底部褥瘡を伴う右足部外反変形に対して三次元実体モデルを作成して三関節固定術を施行した1例
琉球大学医学部附属病院 整形外科
神谷武志、山中理菜、金谷文則

【はじめに】二分脊椎症例の複雑な足部変形に対して、三次元骨モデルを作成して手術に臨み、足部変形の矯正と難治性の褥瘡が消失した一例を経験したので報告する。
【症例】手術時年齢18歳男性、麻痺L4残存レベル、household ambulator
現病歴:生後1か月時に脊髄髄膜瘤に対して手術を行い、3歳時に右母趾骨髄炎に対してデブリドマン施行し、以後MTP関節は骨性に癒合した。その後、徐々に右足部外反変形が進行し、12歳時に右足手術(外側支柱延長+腓骨筋腱・アキレス腱延長)施行したが、変形が残存した。14歳頃より右足底内側部の褥瘡が出現。装具療法および創傷管理を行うも改善せず。16歳時に足底部デブリドマンおよび持続陰圧療法、また右下腿外旋変形に対して骨切り術を施行したが、褥瘡は再発し、18歳時に右足部三関節固定術および右第一中足骨骨切り術を施行した。後足部から中足部の骨関節変形が複雑であったため、手術前計画にCT画像より作成した三次元実体モデルで変形を評価した。手術では距踵関節や足根骨の立体的形状を理解することで、骨切りの位置や方向を決めることができ、ほぼ術前計画通りの矯正が可能であった。術後1年の現在、足部矯正は保たれており、褥瘡の再発は認めていない。
【結語】複雑な足部変形に対する三次元実体モデルは手術前計画に有用であった。