第34回 日本二分脊椎研究会

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整形外科(足関節・難治性褥瘡)
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難治性感染性潰瘍を伴う麻痺性内反足に対し二期的手術(洗浄・デブリードマン、足三関節固定術)を行った4例
自治医科大学とちぎ子ども医療センター 小児整形外科
滝 直也、渡邉英明、吉川一郎

二分脊椎に伴う麻痺性内反足に難治性感染性潰瘍を伴う症例の治療は、難渋することが多い。当院ではこれに対して、洗浄・デブリードマンと足三関節固定術を二期的に行っている。その治療成績を報告する。
【対象と方法】2006年10月から2017年4月まで、2施設で、二分脊椎に伴う麻痺性内反足に難治性感染性褥瘡を伴った成人に対し、洗浄・デブリードマンと足三関節固定術の二期的手術を行った患者を対象とした。男性3名、女性1名、年齢は21、26、26、42歳が対象となった。手術方法は、最初に褥瘡の感染を抑えるために洗浄・デブリードマンを行い、術後はギプス固定と抗菌薬の2か月間投与を行った。その後足三関節固定術を行い、術後はギプス固定を6週間行った(抗菌薬を3日間投与)。評価項目は、術後足部の感染・褥瘡・胼胝の再発の有無、Netoらの臨床評価、最終観察日の立位足部単純X線での後足部内反の有無とした。
【結果】経過観察期間は平均27(12~66)か月で、術後前足部に変形・褥瘡のあった1例に骨髄炎の再発があり、再手術を行った。その他、中足部や後足部に変形・褥瘡のあった3例には再発はなかった。全例胼胝は改善し、Netoらの臨床評価はGoodであった。最終観察日の立位足部単純X線は、術前に後足部の内反と凹足が強かった1例に後足部の内反が残った。
【考察】この手術では、術前に前足部の変形・褥瘡や後足部の内反凹足が強くなると、術後変形・褥瘡を改善しにくい。