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長期間尿路管理を受けていなかった二分脊椎の2症例
JCHO 星ヶ丘医療センター 泌尿器科
【緒言】下部尿路機能障害を有しながら長期間尿路管理を受けていなかった成人二分脊椎の2症例を経験したので報告する。
【症例1】47歳、男性。原疾患不明。幼少期に泌尿器科でVURを指摘されたが、腹圧排尿を指導され、以後通院せず。水頭症、整形外科的疾患なし。腹圧および失禁排尿していた。排便時の下腹部痛を主訴に当科受診。多発膀胱前立腺尿道結石あり、膀胱変形著明、両側水腎症あり、腎機能障害なし。経尿道的砕石術、前立腺切除術を行い、下部尿路機能評価を施行。間欠自己導尿を指導した。
【症例2】55歳、男性。原疾患不明。幼少期より失禁排尿していた。整形外科、皮膚科手術歴あり、また18年前に尿道結石治療歴あり。以後も失禁排尿を続けていたが、褥瘡治療のため当院皮膚科受診時に尿路管理目的で当科紹介受診。多発前立腺結石あり、膀胱変形著明、水腎症なし、腎機能障害なし。下部尿路機能評価を施行した。
【結語】早期からの予防的間欠導尿が普及する以前に出生した二分脊椎患者の中には少なからず同様の症例が存在すると考えられる。