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鎖肛に伴う二分脊椎
あいち小児保健医療総合センター 泌尿器科
【目的】鎖肛に伴う二分脊椎を後ろ向きに調査し、その特徴や泌尿器科的病態を明らかにした。
【対象と方法】2003年4月から2016年9月までに、当科を受診した鎖肛に伴う二分脊椎症例のうち器質的下部尿路通過障害を合併した2例を除いた25例を対象とした。検討項目として性別、出生体重、脊髄病変の発見契機、鎖肛の種類、最大膀胱容量を推定膀胱容量で除した割合、膀胱コンプライアンス低下の有無を調査した。
【結果】全例で脊髄脂肪腫を認め、うち18例( 72%)に終糸性病変を認めた。二分脊椎に対する手術が行われていた症例は20例( 80%)であった。男:女=14:11であり、出生時体重の中央値は2858g (1925–4030 )であった。スクリーニングで発見された症例が15例( 60%)と最も多かった。25例中高位、中間位、低位鎖肛はそれぞれ11例( 44 %)、9例(36%)、5例( 20%)であった。最大膀胱容量を推定膀胱容量で除した割合の中央値は110%( 47.3–200 )であり、65%未満の膀胱容量低下症例は2例( 8%)に認められた。膀胱コンプライアンス低下症例は2例( 8%)であった。
【結語】鎖肛に伴う二分脊椎には終糸脂肪腫が多かった。膀胱コンプライアンスの低下を2例に認めたが、膀胱容量は比較的保たれていた。