【目的】心臓血管外科術後の褥瘡発生率は他科に比べて高い。心臓血管外科周術期の患者の状況を明らかにし、褥瘡予防ケアの早期介入を行うことができ、褥瘡発生率の減少につながる。
【研究方法】2015年4月~2015年9月に心臓血管外科周術期の患者72名の状態を電子カルテ・診療関連皮膚障害報告書からBMI(カウプ指数)・採血データー・手術情報・除圧の状況・皮膚障害の有無を情報収集し分析した。
【結果・考察】分析の結果、術前は年齢が低い患者、術中は手術時間・人工心肺使用時間・大動脈遮断時間・出血量・術式(姑息術後)、術後は体位変換禁止指示・輸血投与の項目について有意差がでた。術中の褥瘡予防ケアは、術操作や循環動態が変動するリスクがあり、体圧分散寝具の使用などが限られてしまうため、医師との相談が必要になる。個々の周術期の状況を踏まえながら、他部署とコミュニケーションをはかり、早期から褥瘡予防ケアを行うことが重要である。