S4 CVカテーテルや気管切開の皮膚ケア・褥瘡

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気管切開カニューレの固定に伴う頸部皮膚障害に対するケア
地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪府立母子保健総合医療センター 看護部 外来
松尾規佐

気管切開をしている児は分泌物の接触による切開孔周囲皮膚の浸軟や炎症、カニューレ固定ホルダー装着による摩擦や発汗による皮膚の浸軟が起こりやすい環境にある。今回、気管切開孔周囲および頸部に皮膚障害を繰り返す児に対し、ソフトシリコン粘着材付ポリウレタンフォームと撥水性クリームを使用することで皮膚障害が改善した症例を経験したので報告する。
【症例1】7歳、女児。気管切開孔からの分泌物が多く、皮膚障害が悪化した。ステロイド含有軟膏と非固着性ポリウレタンフォームの使用で、一時的に皮膚障害は改善するが、治療をやめると悪化が見られた。
【症例2】7歳、女児、人工呼吸器による呼吸管理中。皮膚障害を繰り返すため気管切開孔周囲と頸部に粘着性の創傷被覆材を使用していた。
【結果】ソフトシリコン粘着材付ポリウレタンフォームと撥水性のクリームの使用により摩擦の軽減、皮膚の浸軟予防につながり皮膚障害の改善とその維持ができた。