【目的】 中心静脈カテーテル(CVC)の種類と刺入部被覆材が、カテーテル関連感染症(CRBSI)に及ぼす影響を調べた。
【方法】 2013年までは従来のダブルルーメンカテーテルを用い、IV3000で被覆するのみであった。2015年からは、長期CVC留置を必要とする患者全例に対して、体外型カフ付きCVCまたは末梢留置型CVCを留置することとし、刺入部にはクロルヘキシジン(CHG)被覆材を用いている。CRBSIの発生率や留置期間などに関して比較検討した。
【結果】 CVC挿入例は、2013年が27例で2015年が38例であった。2015年のCRBSI発生率は有意に減少し(0% vs 48%、p < 0.01)、平均留置期間は有意に延長された(150日 vs 107日、p = 0.045)。
【結語】 感染予防においてカテーテルの選択も重要な要因であるが、刺入部皮膚へのCHG被覆材の減菌効果もさらなる相乗効果を期待できる。