【はじめに】排便障害は患児のQOLを著しく低下させる。そして、日常生活のほとんどを一緒に過ごす母親の影響は大きい。今回、ヒルシュスプルング病根治術後に排便管理困難があった2症例を検討し、母親が及ぼす影響を考えたため報告する。
【症例1】4歳男児 1歳11カ月に根治術施行 術後肛門周囲皮膚炎発症。
母親がスキンケアを積極的に行う。現在、排便はトイレにて可能、パンツとパットを使用し過ごしている。
【症例2】6歳男児 1歳3カ月に根治術施行 術後肛門周囲皮膚炎発症。
母親は患児の言うままに過ごしてしまい、スキンケアを積極的に行うことができなかった。現在、肛門周囲皮膚炎は継続している。便はオムツで排泄し、日中・夜間共にオムツで過ごしている。
【結果】排便障害が発生する原因、患児の生活スタイルを評価し、スキンケアの必要性と患児の生活に合わせた排便方法を母親に助言し、患児のQOLを向上していく必要がある。