S7 ストーマ閉鎖・外来での排便管理

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受診時緊急入院となり全麻下摘便を行った慢性便秘の3例
長良医療センター 小児外科1)、看護科2)
鴻村 寿1)、鈴木 幸2)、勝野智子2)、岩崎祥子2)

便秘症では一般的には生活指導、薬物療法が中心であるが、浣腸でも排便コントロールできないときには摘便が必要となることもある。今回緊急に全麻下摘便が必要であった3例を経験したので報告する。
症例1は出生直後から1~2週間排便のない便秘が継続していた。今回著しい腹満と腹痛、尿閉が出現して紹介された。症例2は幼少期より1週間に1回程度の排便しかなく今回1ヶ月以上排便がないとして紹介された。症例3は幼少期より便秘があり、小学校入学後に排便は毎週1回程度、失禁が毎週2回以上となり学校で問題となって紹介された。
いずれも直腸に便塊が貯留して浣腸では排便コントロールできないため緊急に便栓除去を計画されたが小児であり恐怖を和らげるため全麻下に行った。症例2は難治性であったが症例1、3では1回の摘便で便秘がコントロールできた。
また全例直腸粘膜生検にてAchE染色陽性線維は認めずH病は否定され慢性便秘と診断された。