ストーマ管理を患者自身に任せきりで、ストーマ管理が自己流に陥り、高度のストーマ周囲皮膚炎を呈したトランジション症例を経験したので問題点と改善点を検討する。
症例は26歳、男性。総排泄腔外反症、脊髄髄膜瘤に対し、生後7ヵ月時に脊髄瘤修復術、9ヵ月時に人工肛門造設術、膀胱全摘術、回腸導管造設術を施行した。その後、年長となった後はダブルストーマを患者自身で管理していた。25歳時にストーマ周囲の炎症が増強したが、自己流で対応していた。26歳時には2.5×2.0cm大の有茎腫瘤性肉芽が出現。腫瘤が悪性でないことを確認後、WOCの指導でストーマ周囲の皮膚刺激を減らす管理を行い、皮膚炎は著明に改善していった。
このようなトランジション症例では、長期間問題ないと本人に任せきりとなり、自己流に陥ってしまう危険性がある。問題なくとも定期的に医療者が管理状態を確認し、自己流で陥っている箇所を是正していく必要がある。