S6 QOLが向上した攻めのストーマ

25
腸瘻造設によりQOLが向上した慢性特発性偽性腸閉塞症の1例
杏林大学医学部 小児外科
渡邉佳子、浮山越史、鮫島由友、船田敏子

症例は15歳女児。3歳時に慢性特発性偽性腸閉塞症と診断され、くりかえす腸閉塞症状に対して4歳時に胃瘻を造設した。約2週間後、絞扼性イレウスにて回腸瘻を造設し、就学前に腸瘻閉鎖術を施行した。7歳時に在宅IVHを導入し、以降カテーテル感染や腸閉塞で数回の入院を要した。15歳時に癒着性イレウスとなり手術を施行、回腸瘻を造設し腸閉塞による入院回数は減少した。慢性特発性偽性腸閉塞症は器質的な閉塞がないにもかかわらず重篤な消化管運動障害を呈する疾患で患児のQOLは不良である。従来、癒着性イレウスを助長するため手術はさけるべきとされてきたがQOLの改善には腸瘻造設は有用な手段のひとつと考えられた。