S3 ストーマ脱出・肛門側注入

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低出生体重児の小腸瘻肛門側腸管への腸液注入を行うための工夫とその有用性
日本赤十字社医療センター 小児外科、新生児科
横田俊介、吉田真理子、小西健一郎、天方宗輔、廣田篤史、
竹田知洋、 鵜川寿子、中尾厚、中原さおり

低出生体重児の小腸瘻管理において、当科では栄養障害、肝障害、肛門側腸管の廃用性萎縮等の合併症予防目的に、以前より肛門側腸管へのチューブ留置、最近では口側・肛門側腸瘻を離れた部位におく分離式腸瘻により、肛門側腸管への腸液注入を行っている。
当科で肛門側腸管への腸液注入を行った症例は7例で、出生体重は472~1090g 、原疾患は壊死性腸炎4例、胎便関連腸閉塞2例、限局性消化管穿孔1例、腸瘻の形態は分離式3例、2連銃式、ループ式各2例であった。分離式ではチューブを確実に固定でき、容易に腸液回収とパウチ交換を行うことができた。注入開始後に全例で体重増加率、2例で肝障害が改善傾向となった。注入、チューブ留置、分離式腸瘻に関連する合併症はなかった。
肛門側腸管へのチューブ留置および分離式腸瘻造設により肛門側腸管への腸液注入を安全、容易かつ効果的に行うことが可能であった。今後症例を重ねさらに検討したい。