S1 胃瘻

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当科における胃瘻バルーン破損の傾向と検討
北里大学病院 小児外科
柿原 知、田中 潔、武田憲子

小児の胃瘻造設患者において、胃瘻バルーンの破損は患児・家族にとって大きな負担となる。当科で2009年以降に胃瘻を造設した47症例(男22女1)を対象に検討した。使用した胃瘻はMIC–KEY®が31例、スムーズボタン®が17例、GBスモール®が10例であった。6例(男5女1)、15回(3回・8回各1、1回4)にバルーンの破損を認めた。破損時の胃瘻はMIC-KEY®が13回と最も多かったが、胃瘻使用期間もMIC–KEY®が最も長かった。胃食道逆流防止術併用例が5例であった。破損までの日数は10〜70日(平均41.4日)であった。全例で2剤以上薬剤服用していたが、破損を誘発するとされている薬剤は含まれていなかった。経腸栄養の種類による破損への影響は認められなかった。側弯は4例に認められた。当科の検討では側弯・胃食道逆流防止術後・男児がバルーン破損に関連があると考えられた。