S2 ストーマ管理困難例・ストーマサイト・VAC

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鎖肛患者の消化管ストーマ造設位置がストーマ管理に及ぼす影響
長野県立こども病院 外科
畑田智子、上條みどり、高見澤 滋、好沢 克、岩出珠幾、服部健吾

体型が大きく変化する時期に造設される小児消化管ストーマはその造設位置により管理の容易さが大きく異なる。当院で過去5年間にストーマ造設を行った58例のうち、鎖肛の診断でストーマ造設を行った13例を対象とし、ストーマ閉鎖術までのストーマ管理を後方視的に検討した。全例、術前に皮膚・排泄ケア認定看護師が術者立会いの下でストーマサイトマーキングを行った。装具の交換頻度は2日に1回(2日群)が2例、3日に1回(3日群)が9例、4日に1回(4日群)が2例であった。2日群の2例(100%)と3日群の3例(33%)にストーマ近傍の皮膚の皺を認めた。ストーマ閉鎖時に皺を認めた5例は、出生時より同位置に皺を認めたのに対し、皺を認めなかった8例は全例、皺のない位置にストーマが造設されていた。小児においては可及的に皺の影響がない位置にストーマを造設することが、問題のないストーマ管理に重要であると思われた。