S1 胃瘻

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重症心身障害児の胃瘻造設~Seldinger法による経皮内視鏡的胃瘻造設術の有用性に関する検討
和歌山県立医科大学 第2外科
加藤紘隆、三谷泰之、渡邉高士、窪田昭男、山上裕機

【目的】当科では重症心身障害児(重心児)の胃瘻造設は、Seldinger法によるPEG法(S-PEG)を行っている。その安全性と有用性について検討した.
【対象】対象は当院にて2013年1月以降の3年間にS-PEGを施行した重心児13例である。
【結果】手術時間は19±11分であった。手技に関する合併症は認めなかった。中・長期の合併症として胃瘻部肉芽形成が5例、胃内容の漏出1例およびバルーンによる胃幽門部の閉塞1例を認めた。唇状廔形成による胃内容の漏出やスキントラブルは認めなかった。胃内容の漏出を認めた症例はガストロボタンの入れ替えを必要とした。バルーンによる幽門閉塞はバルーンの縮小で改善した。胃瘻挿入手技および長期的な経過観察中に有意な合併症は認めなかった。
【結論】重心児に対する長期的胃瘻造設においても、S-PEGは簡便で安全な手技であり、中・長期的にも大きな合併症も無く、妥当な方法である。