【目的】極低出生体重児におけるストーマ管理の実態について現状と問題点を明らかにする。
【方法】日本小児外科学会認定・教育関連施設156施設の医師に質問紙を送付した。調査内容は2014年のストーマ造設件数、ストーマサイトマーキング(以下SM)実施の有無、体重別のストーマ管理方法等である。
【結果】63施設(回収率40.4%)から回答を得た。回答者は医師52名、皮膚・排泄ケア認定看護師(以下WOCN)29名、看護師8名であった(複数回答)。ストーマ造設数は36施設92件、造設部位は回腸57件、空腸11件、結腸9件などであった。SMは41施設(65.0%)で行っており、実施者はWOCN、医師、病棟等看護師の順であった。ストーマ管理方法の選択は、術直後には医師とWOCNがほぼ半数で行っているが、術後4日以降からWOCNが増え、8日以降ではWOCNがほぼ行っていた。体重別のストーマケアは、1000g未満では術直後に軟膏を使用している施設が多く、500g未満で77.0%、500~1000g未満では60.0%であった。軟膏を選択する理由は「既製装具が使えない」「剥離刺激が少ない」「簡便である」が多くかった。装具はパウチキン未熟児用、パウチキン新生児用が多く使用していた。1000g以上では術直後から既製装具を使用している施設が64.4%と多く、パウチキン新生児用、ノバ1インファントドレイン、パウチキン未熟児用、プロケアー1ポストオペの準で使用されていた。既製装具を使用する施設は術後4日以降になると体重に関係なく増えていたが、どの体重においても軟膏、既製装具以外でのケアが行われており、採尿パックや手袋の指、創傷被覆材などを使用していた。ストーマ管理上の課題は、「製品の種類が少ない」が55%以上に挙げられており、「面板が大きすぎる」「面板の溶解が早い」「袋の容量が小さい」「臍・創・ドレーンなどが近くて貼れない」などであった。
【考察】極低出生体重児は身体機能が未熟で皮膚が脆弱であり、周術期は細心の注意が必要であるが、装具の種類が少ないことからケアの難しさが伺われた。特に体重1000g未満の超未熟児には、ストーマ装具の市販品がなく、体格・皮膚の特徴を考慮した装具、面板サイズや形状、材質を考慮する必要があると考えられた。