S5 保育園・思春期・トランジション

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生活習慣に寄り添ったストーマケアが有効であった思春期オストメイトの1例
独立行政法人地域医療機能推進機構 九州病院 看護部1)、小児外科2)
巣山直子1)、山崎啓子1)、山口弘恵1)、和田桃子2)、上村哲郎2)

【はじめに】栄養管理を要する思春期のオストメイトに対し、食事療法のタイミングの見直しを含めた指導を行い、その後トラブルなく経過した症例を経験したので報告する。
【症例】15歳女児。14歳時に小腸大腸型クローン病の診断で加療中、15歳時に原疾患の病勢悪化による消化管穿孔を来たし小腸瘻造設となった。自宅退院後、夜間の便漏れが続きストーマ外来受診となった。
【実際と結果】まず、家庭におけるストーマケアの基本手技を見直したものの、夜間の便漏れは持続した。改めて生活習慣の聞き取りを行ったところ、羞恥心のため学校でのエレンタール内服ができず、夜間にまとめて内服していることが判明した。そこで、内服時間の調整とアクセサリーの見直しを行ったところ、夜間の便漏れは消失し、術後6ヶ月で小腸瘻閉鎖へ至った。
【考察】思春期オストメイトに対しては、学校生活を考慮した生活習慣の指導がストーマ管理に有効と考えられた。