S4 CVカテーテルや気管切開の皮膚ケア・褥瘡

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難治性の皮膚かぶれに対するイソジン消毒と軟膏ガーゼ使用の経験
大阪大学 小児成育外科1)、大阪大学附属病院 看護部2)
児玉 匡1)、田附裕子1)、阿部 薫2)、田中寿江2)、上野豪久1)
阪 龍太1)、高間勇一1)、山中宏晃1)、奥山宏臣1)

【はじめに】留置型カテーテルの刺入部の消毒には1%クロルヘキシジン含有の消毒用エタノールが推奨されている。しかし、皮膚かぶれにより、この消毒が不可能と思われる症例を経験する。
今回我々は、ブドウ球菌感染を併発した難治性の皮膚かぶれに対し、イソジン消毒と軟膏ガーゼを使用し症状が改善した例を経験したので報告する。
【症例】長期予後不良な進行性の中枢神経石灰化を有する男児。経腸栄養の確立は難しく、1歳6か月に留置型カテーテルを挿入し静脈栄養管理となった。静脈栄養によって全身状態は改善し、在宅管理が可能となった。しかし、被覆材の使用部分に皮膚かぶれと感染が出現した。アクアセルAg®の併用では改善しなかった。そのためイソジン消毒・ガーゼ保護に移行した。最終的に刺入部のみをイソジン消毒し、周囲の皮膚かぶれにはアクアチムクリーム®とステロイド剤による滅菌ガーゼ保護を行い、ようやく皮膚の状態は改善し安定した。